2014年8月6日水曜日

SDRの性能評価

Flexのコミュニティでも何度か「SherwoodやARRLの評価は行われないのか?」という質問がされていて、最近CEOのGeraldが「ARRLが6700を最近一台購入したので評価をしていると思う」という書き込みがありました。 既存のヘテロダイン式の受信機とは違いDirect Down ConversionではIP3や今までの評価基準では評価できない(直接デジタイズしてしまうので歪が発生しない)ということで、評価方法について随分議論されていたようなので、ARRLが評価を始めたということは、評価方法について一定の結論が出たのではないかと思います。 結果を見るのが楽しみです。

JH2AHZ局より59'ersに「SDRHF帯用トランシーバの紹介」(JA2GXU)というのを教えて頂き内容を見てみましたが、メーカ発のスペックを並べてApache Labs, Expert Ellectroonics, Flex Radioの最新の機器について評価、順位づけをしていましたが、ちょっとこの方法には疑念があります(メーカの発表スペックが同一条件で計測されているのか?単純に比較しても良いのか?です)。

以前にJH2CLV局のところで受信性能を調べようと試みた時に、パナアダプタやSメータのデジタル表示値がかなり正確だという事が分かっていますので、簡単にノイズフロアの値を採って見ました(MDSはこれより3db高い値と考えて良いと思われるので)。

                                                    Pre amp
                                --------------------------------
                                   Off               10dB           20dB
---------------------------------------------------
21Mhz . BW 400Hz   -123.5dBm     -131.0dBm   -140.0dBm
            BW 100Hz   -130.0dBm
            BW   50Hz   -135.0dBm
                                                                    (ちょっと、小数点以下は当てになりません)

で、59'ersに出ているFlex発表のMDS-121dBmと整合性があると思われます。 この値だとIC-7800、FTDX-5000、TS-990の公表値から2dBから、7dB劣ることになります。 またApacheLabsのANAN200Dからは17dB劣ることになります。  ちょっとがっかり、、。 ただ疑問なのは、アンテナからADCに直接行き、間にはLPF位しか入らないので、17dBも何故差が出るのか? 使っているADCが違うの?で、何とはなしに腑に落ちないのです。 Flexはpre-ampが入っていてNFが5dBほどあるようなので、これが足を引っ張っているのかもしれません(あ、リレーで切り離しているかもしれません。 +/-共にリレーの音が聞こえるので、これは無いですね)。
TAPRのHPでMercuryの仕様を見てみると、pre-amp off でのMDSが-118dBmになっています。pre-amp on で -138dBmですね。 やっぱり、メーカ公表値が??

実際にアンテナ繋いでバンド聞いてみるとノイズフロアは-120dBm位まで上がって来てしまうので使用していて「感度が悪い」とはあまり感じたことはありません。 

59'ersにはPre-distortion (pure signal)の事も書かれていましたが、既にハード的には可能な状態にあり、リクエストにも上がっているので、v2.0くらいでは対応してくれるものと思います。 以前リンク張りましたこの件に関するプレゼンではFlex5000を使っていましたので、そんなに時間も掛からないのでは、と期待しています。 勿論、リニアアンプを含めたループでの歪改善でないと意味が無いので、最終出力を何処からどのように採ってくるのか工夫がいると思います。

別に記事にケチをつける気はありませんが、SDRはソフトで仕様が大きく変わってしまうので、断定的な表現は避けるべきだろうと思います。 また、多くの測定器を持っておられる方のようなので、メーカスペックについては同一条件で確認してから評価していただけると、もっと有益な記事だったと思います。

いづれにせよ、ARRLやSherwoodのような権威のある(?)ところの評価(それと、SDR評価方法、基準)が早く出てくれることを期待しています。


1 件のコメント:

JA2GXU さんのコメント...

JA2IYV 山田健殿

今回の初めてのメールを貴殿の様な経験豊富なスーパーOMに送付
致します失礼を予め御詫び申し上げます。

当方のWebサイトを2021年に開設しましたので、遅くなりましたが
御報告申し上げます。

和文サイト
https://www.ja2gxu.com/

その中の参考用サイト
https://www.ja2gxu.com/hf-transceiver-comparisons-ja2gxu/

この中に、必要且つ十分条件として、ランク外のSDRの主要なメーカーは、
Flex製になります。所謂ジャンク品という意味です。
無論、ARRLのMDSは、全く意味が無いと断言してあります。

局発またはクロックを低位相雑音化したSSB送信及び受信のSNR、THD 及びIMDについて:JA2GXU | HFトランシーバーの局発の低位相雑音化の要求 : JA2GXU

このページは、局発又はクロックの位相雑音の改善が何故必要かに関して、述べています。
ここでも、Flex製SDRは、基本的に外部へ低位相雑音の10MHz標準を用意し接続する必要が
ある事を断言しています。所謂ジャンク品という意味が御分りでしょうか?
イコライザーに関しても、貴殿が忌避すると考えられます比較表が記載されております。

英文サイト
https://ja2gxu.com/

その中の参考用サイト
https://ja2gxu.com/hf-transceiver-comparisons-ja2gxu/

この中には、ARRLのMDSは、使い物にならないと断言してあります。

最近のシャーウッドのサイトの表現が微妙に変化している事に
気付かれていますか?

https://ja2gxu.com/mrsminimum-readable-signal-for-hf-receiver-and-transceiver-ja2gxu/

この中に、MRSLの詳細が記載されております。その中に、超低位相雑音の
SGの事も記載されております。
無論、Flex製SDRは、ランク外となっております。

https://ja2gxu.com/desired-s1-signal-level-and-lo-phase-noise-requirements-ja2gxu/

この中には、使えるSDRとして、大変残念で御座いますが、Flex製は記載されて
おりません。

以上、御報告申し上げます。

 JA2GXU 土屋

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