2022年3月20日日曜日

Common Mode Chokeの制作と実験

注文していたDX EngのCMC Kitが、途中の輸送機エンジン故障などを乗り越えてやっと到着




したので、早速組み立て、nanoVNAで測定してみることにしました。

キットは大型ビーズ40個とそれを包むシュリンクチューブで、大型ビーズ40個で2.5Kg程あります。 ビーズのサイズはOD:25.5φ ID:12.4φ H:32.3 (unit:mm)で、内径から8D-2Vがやっと通るくらいで、RG8A/Uか7D-2Vが対象の製品です。 

で、RG8A/Uを使って製作することにしました。 同軸コネクタがMP-8,MP-10しか手持ちがなかったので、MP-7を町田の佐藤電機で調達。(何故か、手持ちの中継コネクタとの相性?が悪く、しっかり閉まらないので、中継コネクタを別途調達することに、なってしまった。 なぜか、この中継コネクタMP-8や他の物は問題ないんだけど何故?)

添付されているシュリンクチューブは多分30φの物だと思いますが、同軸にビーズ通してからシュリンク被せようとすると、うまく通りません! 同軸に通さないビーズだけを、シュリンクチューブに一つづつ入れてゆき、時々チューブを振ってビーズの位置を調整すると綺麗に入れることが出来ました。 チューブに入ったビーズは直線に並んでいるので、其の後に同軸を通してスムースに入りました。 シュリンクチューブと同軸の順番を間違えると、結構大変です。 後は高温のブロワーでシュリンクさせてビーズや同軸の固定をしますが、シュリンク目いっぱいしても、同軸の径にはならないので、隙間ができます。 これは自己融着テープで目張り。

特性の測定は「賢いネットワークアナライザに負けない賢い測定の知識」

 や「コモンモードチョークをNanoVNAとFA-VA5で測定する-jh4vaj」を参考にシリーズスルーに接続してs21
を測定する方法を取りました。 

参考に、MacLabのパッチンコアと
8D-2V(1m)で即席CMCを作って比較してみました。

 結論)

DX Engの物は1Mhz位からS21 Gainが-20dB位あり、低い周波数からCMCとして機能していると思われる。

一方、パッチンコアは5個、10個では低い周波数でのCMCとしての機能は期待できない。 また、10個では同軸の内部容量の所為か共振周波数が10Mhz辺りに出て来てしまい、あまり実用的では無い。

パッチンコアは手軽に余っていると「取り敢えず、付けとけ」的な使用をしていましたが、場合によっていはちょっとまずいかもしれません。

 

 結果)

1) DX Engineeringのビーズ40個をRG8A/Uに通したもの

 

 

0.5-30Mhzのスイープで測定。

4Mhz-28Mhz位まで、-30dBのS21Gainが測定されている。

 

 

 

低い所をもう少し見たいので、スイープ範囲を0.5Mhz-10Mhzにして測定してみると、

 

1.64Mhzの所で-26.783dBのS21 Gain,2.875Mhzで-28.894dBのS21 Gainとなっており、1.9Mhz~10.1Mhzまで、十分に機能することが期待される。




2)参考としてMacLabのパッチンコア5個、或いは10個と8D-2V 1mの組み合わせ

 

 

パッチンコア5個で1Mhz-50Mhzで測定してみたが、30Mhz以上で-20dB程のS21 Gainが見られるが、CMCとして機能しているのかは??



更に5個足して10個で測定してみると30.3Mhz辺りに共振点が出ていて、10Mhz-25Mhzで-20dB程度のS21 Gainが得られている。

LowBandでCMCとして機能させようとすると、結構な量のパッチンコアが必要(5~60個?)と思われる。

また、共振周波数が現れるのが不安。

> 同軸の心線と外皮の間の容量は短絡されているはずなので、何が共振の原因かがよく分かりません。 また、同じ設定になっているDX Engのビーズではこのような共振点が現れないので、更にその原因が分かりません。

>>写真にあるようなJigを作って測定したのですが、SMCのGround側を接続するのとしないので、10Mhz辺りからのグラフが変化しますので、もう少し真面目にJigを作らないと高い方の測定はNGかもしれません。 今回はLowBandを見たかったので、良し!とすることにします。(2022/3/23)

CMC DX40 w/o SMC ground conn

CMC DX40 w SMC ground conn


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